謹賀新年
2012
ただ人は情けあれ 夢の夢の夢の 昨日は今日のいにしへ 今日は明日のむかし


『閑吟集』のなかの一首です。新しい年を迎え、今さらのように、時の流れの不思議と、その集積としての人生の不思議をおもいます。過ぎ去ってしまった人生は、子供の頃に心に描いていた半分の長さしかなく、そのほとんどが回り道だけでできた工事中の街の風景のようでした。
 今年は、この不思議について、ゼミセミネールで話をしてゆきたいと思っています。根っからの性分で、いつもご無沙汰ばかりして申し訳ありません。ご連絡を怠っていた方には、この新年のご挨拶が、2012年1月1日時点におけるわたしの生存証明となります。もし少しでも興味を持っていただけたら、木曜日に新宿ゴールデン街で密かにおこなっているわたしのゼミに足をお運びください。大したおもてなしもできませんが、運が良ければ、パリの《哲学カフェ》もどきの雰囲気を味わっていただけることができるとおもいます。
 今年は、何人の懐かしい友人たちに再会できるか、楽しみです。新宿ゴールデン街という《時空の迷路》のなかで、今年は、ぜひお目にかかりましょう。

2012年1月1日 藤田博史拝